Acerca de
Saburo Miyauchi × Domaine Pinot Livre cicera
from Saburo-Tei
2021.10.26
土地のものを合わせて和の一体感が楽しめる水炊きをつくりました。
シセラは熟成させるほど、香りが華やかに、酸味がまろやかに、香りと味と余韻まで一体感がでてくる、ポテンシャルを秘めた面白いお酒です。
まず第一印象は白ワインと同じくお魚との相性が良いと思いました。
淡白なものほど合いそうだなと。
そして、もう一つ、
このシセラの特徴的な酸味と苦みが、日本古来からの出汁や和の香辛料と相性が良いと思いました。
例えば、シセラの酸味と苦みは、柚子胡椒やわさびと相性がいいです。
これはシセラ独自の特徴だといえます。白ワインとかでは中々感じることができなかったんですが、このシセラだとバチっと合うことに驚きました。
今回は、その中でも、周防大島の鯛を使って水炊きを作りました。
和の出汁の旨味とシセラの旨味がよく合います。
さらに、ポン酢の旨味と柑橘の酸味、大根おろしの苦みととても相性が良いです。
地元の鯛と合わせることで、よりしっくりハマりました。
グラスは、料理に合わせて少しまろやかな口当たりにしたくて、口径の広いグラスを選びました。
あと、今回色々と試していく中で、さまざまな意外な発見がありました。
意外に和牛との相性が良い。
ソースとか一切なしの塩だけの和牛、胡椒もいらない。
塩との相性がすごく良いんです。
大体肉は、赤ワインがあう、白ワインだと少し弱いと言いますが、シセラはありでした。
なので、豚肉とか鶏肉とか塩で仕上げたら相性がいいと思います。
塩でいただく天ぷらなんかも、おいしかったです。
また、これも意外なところでは、カカオ×シセラです。
カカオの酸味と渋みがあって、それがシセラと相性が良かった。
85%とか99%とか、高カカオのチョコレートと合わせると面白いと思います。
その他にも、
漬物×シセラ
野菜の旨味と程よい塩味がシセラと相性が良い。特にシンプルな浅漬け系が良かったです。
餃子×シセラ
酢醤油の酸味とよくあい、餃子の油を流してリセットしてくれて、相乗効果で食が進みました。
逆に、甘めの料理や、
濃口の醤油とはあんまり合わなかった印象です。
例えば、お寿司でも、お醤油でいただくものよりは、
イカとか、柑橘を絞って塩でいただく様なものには相性がいいと思います。
甘めの肉じゃがとかすき焼きとかは少し合わせづらいかなと思いました。
生ハム×シセラ、おでん×シセラはおいしかったです。
周防大島という土壌で作られたシセラと、土地のものと合わせることが贅沢だと感じています。
大島の鯛(タイ)、防府の鱧(ハモ)、下松の平目(ヒラメ)、下関の河豚(フグ)、季節に応じて瀬戸内の一帯の食材と色々試してみることで、どんどん可能性が広がっていきそうです。
料理名
周防大島の鯛を使った水炊き おろしポン酢で
宮内 三郎 Miyauchi Saburo
さぶろう亭 オーナーシェフ
1977年広島県庄原市の山奥で生まれる。大阪あべの辻調理師専門学校にて料理の基礎を習得後、ホテルオークラ神戸の中華レストランからキャリアをスタート。海鮮和食レストラン、鉄板焼きレストランなど、ジャンルに囚われることなく幅広く料理の研鑽を積む。そしてその中で、石窯の魅力と可能性を感じ、奥さまの実家のある山口県の周防大島で「石窯カフェ&レストラン さぶろう亭」をオープン。
石窯カフェ&レストラン さぶろう亭 : https://saburo3260.jp
【謝辞に変えて】
シセラの開発当初から味を利いて下さっている宮内シェフ、今回シセラをものすごく研究して色々試してくださりました。仕込んですぐの頃は、香りや酸味がまだ落ち着かず、当初は正直飲みづらい印象だったそうです。しかし、一年間置いて瓶の中で熟成させてみて、香りは華やかに、酸味がまろやかに、余韻まで一体感が出てきて美味しくなった。と、嬉しいお言葉をいただきました。
日本独自の温州みかんのお酒であるシセラと、お出汁や和の香辛料が相性が良いという大きな発見をいただきました。ありがとうございました。