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シセラに合わせて
春の焼き物と握りをこぶ塩でご用意しました
Kubota Hideyuki × Domaine Pinot Livre cicera
from Sushi Kubota
シセラを飲むまえは、
温州みかんを醸造した果実酒ということで、酸味が強くすっぱいお酒なのかなと想像していました。
しかし、実際頂いてみて、酸味は確かにあるんですが、その酸味は心地よく、その奥に力強い旨味を感じました。
直感的にこのお酒は、和食に合うなと思いました。
今回は、シセラに合わせて焼き物と握りをこぶ塩でご用意しました。
最初にシセラを味見させて頂いて、まず感じたのが「春の風」のイメージでした。
ですので、まずは旬の脂の乗ったアマダイを松笠焼きに、そして春っぽく盛り付けで合わせてみました。
アマダイは甘みと脂身が強く、鱗まで食べることが出来るお魚です。この鱗のパリパリの食感を出すために200℃まで熱した油をかけて、まず鱗だけ火を入れます。その後ひっくり返して身の方は焼き台でお出汁をかけながらじっくり焼いていきます。そうすることで、アマダイ本来の旨味が引きたちます。
シセラの酸味に対して、同じく酸味があるものを持ってくるのではなく、アマダイの甘味と脂身そしてうま味が、このシセラの心地よい酸味と旨味と合わさって、お互いに高め合う、そんな料理を作らして貰いました。鱗のぱりぱりの食感も楽しいですよ。
握りも全てシセラに合わせて作らせていただきました。
まず、手前から、
「のどぐろの炙り」です。
のどぐろの持つ脂=旨味と受け取ってもらって良いと思うんですけど、それとシセラの酸味がシンプルにすご く合います。
隣が「ヒメガイ」という貝です。
生でも十分美味しいんですが、酒煎りという調理法を用いて火を入れてあげる事によって、ヒメガイが持つ本来の甘味がグンと上がります。その甘味とシセラの酸味が合わさり、相乗効果となって物凄く合います。
上の段にいきまして、
当店の看板メニューの「煮アナゴ」です。
通常煮アナゴは煮詰めで、黒く炊いて召し上がって頂くんですが、ウチの煮アナゴは、白煮(はくに)と言いまして、薄口醤油を少しだけ使って炊いています。そこに砂糖、塩、みりん、酒で味を付けて、アナゴ本来の味と香りを大切にして炊いています。本来は煮詰めを塗って食べていただくんですが、シセラとの相性を考えて、今回は当店自家製の「こぶ塩」で召し上がっていただくことにしました。このこぶ塩で煮アナゴを召し上がって頂く事によって、シセラとの相性がまた良くなると考えました。
その隣がで「赤貝」です。
赤貝は他の貝類と比べてフルーティーな香りがする貝です。赤貝が持つ甘み・旨味とこのフルーティーな香りが、シセラの香りと口の中でまざり合うことで、お互いに高め合い更に良い香りを醸し出してくれます。
最後が、「ヒメガイのヒモと貝柱」です。
ヒメガイの貝柱とヒモは、身より旨味が非常に強い部分です。ヒメガイの身を食べた後に、最後に締めとして召し上がっていただければ、非常にシセラとの相性良く美味しくいただけると思います。
ご家庭では、シンプルに魚の塩焼きにレモンやスダチを絞ったものがおすすめです。今パッと鯵(あじ)が頭の中に浮かんだんですが、鯵の塩焼きにレモンをかけてこのシセラは良いと思います。もしくは、バター焼きも合うと思いますね。
その他には漬物が合うと思います。特に浅漬け。もうシンプルに塩とこぶだけを使った浅漬けは絶対合うと思います。それにちょっと唐辛子など効かせてあげたら尚良いと思います。
[料理名]
アマダイの松笠焼き
握り(のどぐろの炙り、ヒメガイ、煮アナゴ、赤貝、ヒメガイのヒモと貝柱) 昆布塩を添えて
久保田 英之 Kubota Hideyuki
鮨 くぼ田 大将
1986年山口県周防大島町生まれ。高校卒業後、田布施の寿司満で接客と寿司の基本を習得。20歳から大竹市の割烹宇恵喜で和食の修業開始。24歳で料理長に就任後、広島ミシュランで一つ星を獲得。その後懐石料理を学ぶべく群馬県、栃木県、静岡県、石川県、岐阜県の有名旅館で研鑽。現在は地元大島で、鮨 くぼ田を開業。
シセラ 2019 f f フォルティシモ Ⅱ <720ml:Alc 8%>
原材料:温州みかん,ポンカン,はっさく,不知火,せとみ(周防大島産)/酸化防止剤(亜硫酸塩)
生産本数:720lm 1127本
5種類の柑橘の特長を持ったシセラff。ワインでは決して表現できないこの個性を主張したいと思い、2020年4月30日に初代シセラ2019ff(Lot.1)をリリースしました。Lot.2以降は、熟成による変化を待つため、メッシュパレット内で定温管理し、その時を待ちました。二年間の定期的なテイスティングを経て、今、全体的に熟成感が表れはじめ酸味と苦味の調和がとれてきたと感じました。シセラffフォルティシモⅡとして蔵出しです。