受験シーズンに入り、我がぶどう畑でもじっくり時間をかけて問題を解く作業が始まった。
せん定作業である。
せん定は、昨年伸びた枝の中から今年果実を生らせる枝を選び、それ以外の約90%の枝を切り落とす作業。良い果実が生りそうな枝を選択するのだが、その正解がわかるのは秋の収穫の時である。基本の公式を知っていれば解けるものではなく、ぶどう樹一本一本に合わせた解答を見出すことが正解にたどり着くためのポイントとなる。また、せん定はワインの出来にも影響する大切な作業なので難解ではあるが、私が唯一ぶどうたちに優越感を感じることのできる作業でもある。なぜかと言えば、それは一年でこの時期だけ、ぶどうの成長に慌てることなく自分のペースでできるからだ。
冷たい風が厳しい季節だが、澄んだ広い空の下で頭をフル回転させて没頭できるせん定は、実は自分がワインづくりの中でも一番好きな作業だ。まずは、4カ所にあるぶどう畑を、毎日少しずつ同時進行で粗せん定を始める。
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