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執筆者の写真Matsumoto Hideya

2021.10.19 赤ワインのプレスと気がかりなこと

今朝から突然、秋の冷たい風を感じたので長袖シャツに衣替えをしました。

ワインの仕込みは、約1か月の長い発酵期間を終えて搾り作業に入っています。最初はJINDE畑のピノノワールとヤマソービニオンから、もろみをバスケットプレスに入れて搾り始めました。

私が行うバスケットプレスの圧搾は、とても静かなのが特長です。発酵が終わった仕込み樽から、5リットルカップを使ってそっと一杯ずつ、ろ布をつけたバスケットプレスへもろみを注ぎ入れます。適量までバスケットプレスにもろみを入れたら、ろ布を閉じて落し蓋を手動でゆっくりと下げ圧力をかけていきます。バスケットプレスで搾られたワインは、ホースでつないだ発酵室のステンレスタンクへと流れます。仕込み室は、搾汁した液が重力で発酵室へと流れるように少しだけ高い場所に設計しているので、穏やかに優しくタンクにワインが溜まっていきます。この間に聞こえる音は、プレスの落し蓋を手動で下ろすカッコンカッコンの音と、液がホースを下るそよそよという音だけです。手動による圧搾作業は、ゆっくりと少しずつ圧力を上げていくことができるため、とてもきれいに搾ることはできますが、しっかり搾りきるには一晩かかります。そして、仕込み室の中は、発酵を終え搾汁されたばかりの新酒の香りでいっぱいになります。一連の様子から今年のワインの出来具合と、今後の熟成の方向性を想像することができるので、いつも神経を研ぎ澄ましてこの作業を行っています。全ての赤ワインの発酵が終わり圧搾が終わると、次は熟成の工程へと移ります。

そして、このところずっと醸造所にこもりっぱなしなため、畑では下草たちが自由奔放に生長しているのではないかと、もう気がかりでなりません!



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